水も滴るいい男

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「やあ。誰かと思えば君じゃないか」

「やあ。誰かと思えば君じゃないか。おや?全身がノイローゼだらけだけど、どうかしたの?」

「やっぱりわかる?実はどうにもおかしな言葉があるんだ」

「ほう」

「『水も滴るいい男』いくらイケメンでも水のようにきれいな男性って存在するのかいつも疑問に思うんだ」

「水も滴るいい男だったら何をしてもキレいなわけだから1つでも汚かったら即アウトだよね」

「そんな人、いるわけないよね。1つどころか100個は常にありそうだよね。実際に水も滴るいい男がどんな男か発表してみようか」

「色黒で口髭を蓄え金髪でしかも香水をつけていかにも歌舞伎町でNo.1ですよ!と自慢しそうな三重県出身の売れないホスト」

「それでもその男に水も滴るいい男というならその女性は学生時代かなり遊んでいるよね」

「渋谷に必ずいそうだよね」

「そうだね。外見はどう見ても都会的な若い男だが、生まれた場所が大分県の田舎あたりで現在住んでいるところが愛媛県の田舎あたりだが一体どこの方言なのかよく分からないしゃべり方をする愛車が軽トラの雑草農家」

「雑草だけで生計を立てる根性がすごいよね」

岡本信人もびっくりするほどの雑草魂だね」

「水も滴るいい男と呼ばれているハイスペック男子がこれまたパリコレに出たら世界一と言われそうなモデル風美女が結婚し仕事の関係で南の島に豪邸を建てて住む」

「男の子が生まれたのはいいが幼少期からブクブクに太り親の言うことは一切聞かず行く先々で悪さを働きやがて刑務所にぶちこまれそこでいかにもファイトクラブを連想させるような壮絶なタイマンに勝ち続け所長の計らいでプロボクサーとしてデビュー」

「やがて連戦連勝。20回王者となり稼いだ賞金で世界各地に100軒ほど豪邸を作り10000人ほどの妻や愛人を作り20000人の子供をもうける」

「しかし強すぎるがゆえに犯罪ばかりを起こし続けるがもはや薬物や殺人といった程度のレベルでなくついには彼が原因の全面戦争に発展」

「彼に逆らう者はいないはずだったが、兼ねてよりうちなる殺意を秘めていた手下の謀反に遭い暗殺され、実は暗殺された彼に対して強い不満と憎悪を抱いていた国民によってその屍をズタズタに切り裂かれ晒しものにされた」

「話がだいぶ外れちゃっているね」

「美男美女の間に生まれた子はロクでもないよね」

「結果この世に完璧な水も滴るいい男は存在しないということがわかったよね」

「そうだね。何も考えず普段通りに生活するほうが楽だよね。それじゃ」

「また」